研究・開発
小型高分解能音波探査システム
陸域から連続する沿岸海域は水深が浅く,且つ,さまざまな経済活動が活発に行われていること等から,音波探査の適用が難しいところです。
特に大型の調査船を使用したマルチチャンネル方式は大きな制約を受けるため,これまでは小型の調査船を使用したシングルチャンネル方式が一般的でした。
ただ,シングルチャンネル方式はマルチチャンネル方式に比べると記録の品質が劣ります。
沿岸海域で高品質の記録を得るには,マルチチャンネル音波探査装置の使用が不可欠です。
従来のマルチチャンネル音波探査装置は,長さ数百m~数kmの受振ケーブルを曳航するなど規模が大きすぎて小型船への搭載が困難でした。また,記録の分解能も高いものではありませんでした。
そこで当社は産総研との共同研究で,短いマルチチャンネル受振ケーブルの実用化,船上データ収録装置の小型化,データ処理手法の最適化を目指しこれに成功しました。
<クリック>
このシステムは現在では学術調査や活断層調査に多用されています。
- ① 実験に使用した調査船
- ② マルチチャンネル受振ケーブルの作成
- ③ 作成したマルチチャンネル受振ケーブル(12ch,2.5m間隔)
-
④ 従来のシングルチャンネル方式との比較
同一測線上の記録で上段は従来のアナログ記録,下段は12重合処理記録.
矢印直下の断層付近が特に改善される。 - ⑤ 産総研ホームページに掲載された本共同研究の記事