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野外業務

海上音波探査

比較的エネルギーの大きい音波を使用し,海底下や湖底下の地質・地質構造を調査します。 音波が反射する性質を利用した反射法探査と,同じく屈折する性質を利用した屈折法探査とに大別されます(下表参照)。さらに反射法探査は曳航式と定置式に,曳航式はシングルチャンネル方式とマルチチャンネル方式(下図参照)に,マルチチャンネル方式は二次元調査と三次元調査にそれぞれ細分されます。

1. 反射法探査

原理は音響測深や魚群探知機と同じですが,使用する音波のエネルギーや周波数が異なります。 音波を発生させる発振器とその音波を受振する受振器の両方を調査船で引っ張りながら観測する曳航式と,受振器を予め海底に設置し,その後,受振器上で発振しながら観測する定置式とに大別されます。このほか,発振器と受振器を調査船に固定し,観測する方法もあります。 反射法の解析方法は,地下の音響的違いをもとに音波探査記録断面を層状に区分し,堆積の順番や構造運動の変遷を組み立てていくのが一般的です。


1.1 曳航式

曳航式は,調査船に調査機器を搭載し,航行しながら海面付近で音波を発振し,音波が下方の海底面や地層境界面等で反射し,再び上方へ戻ってきたところを受振・記録して,海底下の地質・地質構造を調査します。 受振器が1チャンネル(単成分)の場合をシングルチャンネル方式,多成分の場合をマルチチャンネル方式と呼びます。 反射法全体に共通しますが,調査の目的を達成するには音波探査装置,特に発振装置の選択が重要です(下表参照)。 各発振装置はそれぞれ固有の発振波形,発振周波数及び発振エネルギーを有しています。発振エネルギーを大きくすれば探査深度も増大します。発振エネルギーが一定のときは,発振周波数が低いほど音波の減衰は小さくなり探査深度が増大しますが,反面,波長が長くなるため探査の分解能は低下します。また,発振波形は分解能に直接的に影響するほか,後述の反射法データ処理の効果にも影響します。

1) シングルチャンネル方式
この方式は比較的小型の探査システムを使用することが多いため調査費用が安く,且つ機動性に富むことから水深が浅く漁業等の活発な沿岸域の調査にも適しています。ただ,後述のマルチチャンネル方式に比べ可探深度は劣ります。
2) マルチチャンネル方式
この方式は,1つの発振器と1本の多チャンネル受振器を曳航する二次元調査と,1つの発振器と複数の多チャンネル受振器を曳航する三次元調査に分けられます。
 a. 二次元調査
多チャンネル受振器で取得したデジタル記録を反射法データ処理することにより, 大深部までの地質・地質構造を明らかにすることができます(大深部・曳航式マルチチャンネル方式音波探査へ)。 比較的大型の探査システムを使用しするため機動性の面ではシングルチャンネル方式に劣りますが, 最近は小型の高分解能音波探査システムが開発され沿岸海域の学術調査や活断層調査に多用されています(浅部・曳航式マルチチャンネル方式音波探査へ)
 b. 三次元調査 調査測線直下を対象とした2次元探査とは異なり, 切れ目なく平面的な地質情報を取得することができ, 既に石油・天然ガス探査等で使用されています。 三次元調査は上記2次元調査に比べても大型の探査システムを使用しするため 適用範囲は限定的ですが,最近は小型の高分解能音波探査システムが開発され 岸域海域の調査が可能となりました(研究・開発ページへ)

1.2 定置式

定置式は「ベイケーブル方式」とも呼ばれ,曳航式マルチチャンネルが安全に実施することが難しい水深の浅い沿岸域や河川で適用されています。 あらかじめ設定した調査測線上の海底面にベイケーブルと呼ばれる受振器を順次設置し,その後,ベイケーブル上を発振船が発振しながら進みます。その際,別に用意した観測船で発振-受振データを記録します(定置式マルチチャンネル方式音波探査へ) 。調査方法は曳航式マルチチャンネルとは異なりますが,得られる記録はデータを編集することにより曳航式マルチチャンネル記録と同じになります。

2. 屈折法探査

海上の屈折法探査は,陸上の屈折法探査と原理は同じで,発振した音波が海底面や地層境界面等で屈折し,再び上方へ戻ってきた音波を受振・記録して,海底下の地質・地質構造を調査します。 陸上の探査方法と同様に受振器を海底に等間隔で設置し,所定の間隔に設けた発振点で順次発振することにより観測記録を得る定置式方式と,測線上に所定の間隔で受振点を設け,その後,測線上で発振しながら進み,結果的に定置式方式と同等の観測記録が得られる定受振点・動起振点方式とに分けられます(定受振点・動起震点方式音波探査へ)。 当社所有の機材では,定置式方式が水深30m以浅,定受振点・動起振点方式が水深100m以浅でそれぞれ対応可能で,配置できる1測線当たりの最大長さは前者が約1,000m,後者が10数kmまでです。 屈折探査法の解析方法は,観測記録から屈折波の到達時間を読取り,地下構造を伝播速度の違いで区分します。地質学的な情報とは 異なりますが,周辺の地質情報を参考に地盤を間接的に推定することができます。

大深部・曳航式マルチチャンネル方式音波探査

①大型調査船
②エアガン発振器(空気室容量500in3をクレーンで海中へ投入)
③多成分受振ケーブル(受振部の長さは約600m,ケーブルの全長は約800m.ドラムに収納可)
④甲板の白いコンテナは高圧空気圧縮機,甲板後方の白い泡はエアガンが圧縮空気を海中に放出したところ
⑤船内観測室(発振・受振状況を常時モニターで監視)

浅部・曳航式マルチチャンネル方式音波探査

①小型調査船
②ブーマー発振器(甲板から海中へ投入)
③曳航中のブーマー発振器
④多成分受振器(16ch,2.5m間隔)
⑤船内観測室(発振・受振状況を常にモニターで監視)

定置式マルチチャンネル方式音波探査

①観測概念図
②受振ケーブルをケーブル船で運搬中
③受振ケーブルをケーブル船から海中へ投入   
④発振作業中,青色の台船に圧縮空気製造装置等の発振装置を搭載
⑤毎日新聞(1995)江戸川で行われた活断層調査

定受振点・動起震点方式音波探査

①観測概念図
②エアガン発振器
③観測収録装置(デジタル・データロガー)   
④左側ブイに海底の受振器に連結したデジタル・データロガーを固定.右側ブイに安全対策としてレーダー反射器を設置
⑤発振船の甲板後方はエアガンが圧縮空気を海中に放出したところ



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